法務は事業部にイライラしたときがチャンス

「まじ、ありえねーよ・・・」

僕の上司である法務部長がブツブツ言っていました。

というのも、先日事業部の担当者から「利用規約の改定をお願いします」と言われて
せっせと修正をしていたのですが、「やっぱり今はいいです」と言われたからです。

経緯を詳しく話すと、ECサイト上で近々新しいサービスを提供するから
それに合わせて利用規約の改定が必要か、必要ならどう修正するか、
という相談がありました。

そして、内容をヒアリングしたところ、
「利用規約を改定した方がいいですね」
という結論に達したのですが・・・。

いざ、利用規約を改定するとなると、
営業管理部の人たちの工数が増えるわけです。

利用規約改定の通知だったり、
改定内容をWEBサイト上にアップロードしたり、
中には郵送で送付しなければならないユーザーがいたり・・・。

それが大変だから、
「やるなら、まとめてやってほしい」
「3ヶ月後にも利用規約を変更する予定があるから、そのときでいいのではないか」
と言われたから、じゃあ利用規約の改定は今月はやめて、そのときで・・・。

サービスの提供は開始するけど、利用規約は後でいいよね・・・。
という判断になりました。

ということで、
利用規約の改定を依頼したにも関わらず、やっぱりやめたとなり、
法務部長は「ありえねーよ」とイライラすることになりました。

イライラしたら法務の仕事をするチャンス

利用規約の改定に実際に手を動かしていたのは、法務部長ではなく、僕です。
なので、法務部長よりも僕の方がイライラしていたのですが・・・。

けど、ここで考えてみたいと思うのです。

「なぜ、僕はイライラしたのか?」

というと、僕の考えと事業部の考えにギャップがあるからです。

法務としては、新サービスを提供するときのリスクが見えている。
一方、事業部としては、新サービスを提供するときのリスクが見えていない。

法務はそのリスクが見えているから、利用規約を改定してリスク管理しようと思うけど、
事業部はリスクが見えていないから、利用規約の改定は後回しでいいかと思う。

だから、
「なんでそんな考えになるのか?」
とイライラするわけです。

そして、その差があるということは、
法務が仕事をするチャンスです。

法務は事業部に価値を提供しなければならない

法務の仕事は、損失を回避したり予防したりするリスクマネジメントです。

そして、法務の仕事は、事業部から来るので、
法務のクライアントは事業部です。

つまり、リスクマネジメントとしての価値提供は、
事業部に対して行うわけです。

じゃあ・・・

事業部が完璧にリスクが見えていてマネジメントできるとしたら、
僕ら法務は不要になってしまいます。

なので、事業部がリスクが見えていない状況であれば、
価値を提供するチャンスです。

具体的に言えば、

この場合のリスクを説明したり、
リスクを回避、軽減するための対応策を提示したり、
そもそもリスクに気づくことができるような教育をしたり。

つまり、イライラしている場合じゃないんですよね(苦笑)

法務として仕事していると、
事業部が全くリスクを理解していなくてイライラすることがあるのですが、

逆に、自分の評価を上げるチャンスだと思って、
積極的に動いた方がいいと思い、
清清粛々と仕事をすると、法務としての価値が上げられます。

ご参考までに。

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